貴州省に石の住居があると聞き早速訪れた。 貴州省の中央に位置する貴阳市から南西方向へ車で1時間半くらいの位置にある天龍屯堡という古鎮を訪れた。鎮は600年程の歴史があるという。
鎮の東西に征定河という水路が走りその水路沿いに石板住居が建ち並んでいる。 屋根、外壁は石灰岩が板状になったもので様々な厚さのもので積み上げ、又葺かれている。 住居の4方を石で積み上ったもの、両妻面のみ積み上ったものと様々である。しかし内部に入ると自立した木軸組であるもの、石板の両妻を木軸組でつないだものの両方がみられる。貴阳市より古鎮に至るまでの道路脇で石灰岩が板状になった地層と地盤を多く見かける。古くからスレート状の石灰岩を多く産出した場所のようである。多くの石加工場も見かける。場所々で入手、又加工が容易にできる材料を使用しその土地の気候、風土に適した住居をつくり上げる人間の知恵とたくましさ、又その美しい姿にいつもながら感嘆している。
天龍屯堡古鎮の遠景
石板住居の外観
外壁、屋根が朽ち落ちて内部の軸組の残った住居跡
鎮内のようす
石板でつくられた棟
住居内部の木軸組
住居内の台所(土座の生活)
石造の外壁と内部軸組みの取合い 竹小舞の土壁は日本と全く同じ
鎮内の小路