五村別院(五村御坊)客殿の改修工事
戦国時代、大坂石山を中心に勢力を誇っていた本願寺は、天下統一を目指す織田信長と対立していた。
11年間におよぶいわゆる「石山合戦」の終結後、教如上人が本願寺第十二世を継承する。その後、豊臣秀吉の意向により弟の准如上人が後継となり、教如上人は隠居を命じられることになる。そこで教如上人に深く帰依する湖北の門徒衆は、五村の地に坊地を寄進し教如上人を迎えることになり五村別院が開創する。
その後、教如上人は家康から京都六条烏丸の地に寺地の寄進を受け東本願寺を建立されたことから、五村別院は六条御殿懸所と称され湖北における本願念仏の中心道場となる。
五村別院境内には本堂、表門(共に重要文化財)、太鼓楼、経堂、書院があり、今回は客殿の改修工事をおこなった。改修前の屋根は、軒出が1,350mmと大きくはね木と野垂木そして化粧垂木で構成されていた。屋根瓦は耐用年数を過ぎて破損が激しく、はね木の構成配置も充分でなかったことから、はね木の補強と補充をおこない瓦の葺替えをおこなっている。内部については、白壁部分の塗り替え、縁の竿縁天井の張り替え等をおこなっている。