四居家は間口5間半、奥行7間の比較的大きな町家である。四居家の建築年代は、部材の古さや構造形式から18世紀はじめと推定され、長浜最古の町家遺構とされている。
復原内容については、『四居家住宅復原整備に向けての基本計画策定のための調査報告書』・・・京都府立大学大学院教授、大場修氏著 2005年・・・に基づいて決定され、その文化的価値を損なわないよう配慮されたものとなっている。
外観の両妻に揚げる卯建の復原については、近くの町家にある形状を調査し決定している。又、古い町家の店構えであるバッタリ床机と蔀戸、桔ねあげ大戸についても、近隣にある町家の類例を参考に形式を決定している。
このような本格的な町家の復原は、私達にとって初めての経験であり、現場でのディテール決定において右往左往するその時々に、大場先生の御教示、御指導をいただいて完成している。又、現場担当者の笹口雅弘氏の熱意にも支えられ、精緻な仕上りとなっている。
完成後は湖北観光情報茶屋として、湖北の観光情報の発信拠点として活用されている。