明治の建築時にすでにそれまでの住居(江戸時代建築)の古材が使用されており、今回の再生工事で、江戸・明治・平成、各時代の木材が同居することとなった。各時代の木材はあえて視覚的に区別できるように構成している。
建て主には7歳になるお孫さんがいらっしゃる。着工から完成までの8ヶ月間、建築主のおじいちゃんのそばで、私たち設計者との打合せ、各職人とのやりとりを見て、分からないながらも、緊張した現場の雰囲気を肌で感じ取っていたように思う。こうした子供時代の経験、一軒の家の建築がいかに多くの職人の熱意と手間に支えられているかを実際に見るという体験が、将来この家を大切に住み継いでくれることにつながっていくものと確信している。
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