駅前の家(K市)
・昭和16年に建築された、湖東地域に多く見られる町屋(農家型町屋)の改修である。
・駅前の市街地の中にあり、かつての面影を残す数少ない民家として存在している。建築主は解体し、新築することも検討されたようであるが、地域の伝統的な形式で建てられ、今後再築が困難であるとみられるこの住居を残すことを決められ、今回の改修工事となっている。
・建築当初は片通りにわ型(土間が片側に通り、それに接して田の字型の室が並ぶ形式)の間取りであったが、20年程前に一度水まわりの改修がされている。
・当初にわであった部分に床を低く張り水まわりが改修され、座敷まわりとの段差があったため、今回すべての部分をバリアフリーにして改修している。
・前回の改修では、ツシ(中2階)も一部居室に変更されている。ツシは基本的に生活スペースとしての利用は無く、シバ等の保管場所等として使用されていることが多い。そのため、ツシを居室にするにあたり床の補強が鉄骨(H鋼)にてされていた。
・今回は改修にあたり、その補強も住まいの間取りの変遷を物語るものとして、玄関ホールにあらわしとしている。木質空間の中で異物ではあるが、その存在が空間を引きしめるものとなっている。
・又、市街地の中にあり、敷地内にマイカーの駐車場所が無かったため、屋外便所を解体して進入路とし、物置として使用されていた場所を駐車スペースへ改修している。
・78年経過した古民家でも、現代生活に十分対応できる間取りへの改修が可能であり、家の歴史を新たな住まいの中に残しながら、トラディショナルでありながらモダンさも兼ねそなえた住まいとして生まれ変わっている。
南東側外観
アプローチ
玄関・小玄関・ホール
玄関・ホール
座敷から玄関ホールをみる
ダイニング
階段上部のトップライト
2階居室
改修前
南側外観
玄関部分外観
玄関
Copyright © 2000-2019 Takumikoubou.