■柏原宿LABO
近年、旧中山道の散策を楽しむ来訪者が増え、柏原の中心とも言える位置に誰もが使いやすい公衆トイレをつくることとなった。
旧街道の面影を残す町屋が集中する柏原の中心的位置への計画であり、歴史的な景観を現在のまちづくりに活かしてゆくためにも、ふれあいセンターなどと同様に、町屋のエレメントである出格子・むしこ窓・白壁・紅柄塗りを取り入れた象徴的な外観とした。
トイレにとって、使い勝手のよさは最も大切であり、高齢化社会を迎えた今、誰にても優しい機能的な設計(ユニバーサルデザイン)を行うことは、私達に課せられた責任であろう。通路幅・仕上材・手摺などの計画に重点を置き、障害者・子供・女性にとっても利用しやすいデザインを採用した。
冬季には、多雪地帯であるため、積雪がアプローチに支障をきたさないよう、前面は雁木通路の形式を採用している。
昼の外観にも増して、夜、格子やむしこ窓からもれるあかりに映える建物である。
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