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旧舟岡邸離れ
     
 
 

旧舟岡邸離れ(ヴォーリズ建築の復原)

京都市左京区松ヶ崎の京都工芸繊維大学構内にある、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計による『旧舟岡省吾邸離れ』の復原と、隣接する事務室棟の新築。

ヴォーリズは1880年生まれのアメリカ人建築家である。1904年に来日し、滋賀県立商業学校(現:滋賀県立八幡商業高等学校)に英語教師として赴任したが、1908年(明治41年)からは近江八幡を拠点に建築活動を開始して、戦前期(昭和19年まで)の作品に限っても、全国に1488件の建築作品を残した建築家である。

『旧舟岡邸離れ』は1929年(昭和4年)、舟岡省吾博士(京都大学医学部教授)の父である舟岡英之助氏の隠居住宅として建築され、1974年(昭和49年)の博士の没後しばらくして、隣接する京都工芸繊維大学に譲られた。

私達が調査を開始した2007年6月には、同じ敷地内に建築されていた『旧舟岡邸(主屋)』(昭和3年建築)は現存せず、『離れ』は長い間『外国人教師宿舎』として使用された後、数年間はほとんど使用されていない状態であった。
外観は、ヴォーリズらしい『コロニアル・スタイル』で、矩勾配の屋根とドイツ壁と呼ばれる外壁が特徴であるが、周囲に植物が繁り、建物の全景を望むことはできなかった。
内観は、幾度かの改修により新建材が張られた部分が多く、応接室や階段室には建築当初の雰囲気を伺うことができたものの、旧の台所・食堂・日光室や2階の物置は床・壁・天井が新建材に覆われていた。

私達は、壁や床の一部を撤去して詳細な調査を行い、近く(京都市左京区北白川)に良い状態で復原・活用されている『駒井家住宅』(ヴォーリズ設計・昭和2年建築)に何度か足を運んで、建築当初の姿を探った。
大阪芸術大学教授でヴォーリズの研究をされている山形政昭先生や、京都工芸繊維大学教授の石田潤一郎先生のご意見も頂きながら設計を進め、2008年2月に工事を終えている。
特に大切に復原を行った応接室や階段室は『ヴォーリズらしさ』を取り戻し、その他の室も要求された機能を満たしつつ、細部まで大切に設計を行った。

隣に新築した事務室棟は、『旧舟岡邸離れ』とは全く別の外観とすることで、『ヴォーリズ建築』の力を引き出す役割を持たせている。

参考文献:ヴォーリズの西洋館 日本近代住宅の先駆 山形政昭著

設計担当:木村文子

 
 

 

外観


外観


 
 
外観(夜景)

応接室

 
 
和室

ラウンジ

 
 
階段室

2階会議室

 
 
外観(復原前)

ラウンジ(復原前)

 
 
2階会議室(復原前)
     

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